放送作家・漫才作家 村瀬健

              
関西大学・法学部を卒業後、関西を中心に作家活動を開始。『爆笑レッドカーペット』『キングオブコント』『エンタの神様』など、テレビやラジオの構成・ブレーンに放送作家として参加。指導した芸人は2000組を超え、自身の目で見てきた芸人の「話術」と「世渡り術」を体系化し、2010年の出版を機に講演活動を開始。講演研修回数は、毎年150回を超える。著書に『最強のコミュニケーション ツッコミ術』『西由比ヶ浜駅の神様』など。

 


 

 

営業とは、押し売りではなくて、問題解決業である

前編で、聞く「姿勢」を、中編で、聞く「態度」について、ご説明しました。
後編では、その2つを踏まえた応用編、「ヒアリング」について解説していきます。

 

ビジネスの現場で、「営業ヒアリング」という言葉を、あなたも聞いたことがあるでしょう。営業や販売活動で、お客様に最善の提案をするために、要望を聞き取って問題を認識するプロセスのことです。「姿勢」と「態度」をよくするのはもちろんのこと、そこからさらに一歩踏み込んだ話の聞き方が求められます。
ヒアリングを実施する前に、まず営業の大前提として、次のマインドを認識する必要があります。

 

営業とは、押し売りではなくて、問題解決業である

 

営業とは、お客様が抱える問題を解決する商売です。そのマインドを持たず、自分が売りたい商品を一方的に説明するだけの営業マンがいます。これが昔で言うところの「押し売り」で、なぜ押し売りは、一方的に話すのかおわかりでしょうか。
それは、頭の中で、結論を出しているからです。
聞く姿勢でご紹介した4つの型に、「結論を出した状態で話を聞いている型」があります。

 

たとえば、あなたが作業服を販売する営業マンだったとします。法人に飛び込み営業をかける場合、事前に相手先のホームページを見て会社の情報を確認するでしょう。
ですが、ホームページを見ながら「この会社は、コロナ対策に力を入れているので、抗菌の作業服が売れそうだな」と「結論」を出した状態で営業をかけると、その商品を売ると決めてしまっていることから、商品説明に終始してしまうのです。

 

くり返しになりますが、営業は、問題解決業です。

結論が出ていても頭の片隅に追いやり、お客様から問題点をヒアリングすることにフォーカスしましょう
 

 

潜在的なニーズを掘り起こすには?

営業ヒアリングにおいて、意識しなければならない聞き方は、3つあります。


まず、「お客様の話を、映像化しながら聞く」ことです。
「雑談の流儀」の中編で、「映像化しながら聞くと、雑談が続いていく」とご紹介しました。

話の内容を映像化すると、多角的に内容を捉えられ、質問がたくさん頭の中に浮かんできます。この技術が、そのまま営業に応用できるのです。

 

たとえば、あなたがホームセンターの営業マンだったとします。40代の男性が一人で店を訪れ、あなたにこう相談してきたとします。

 

「休日に、子供をバイクの後ろに乗せてよく出かけるのですが、雨の日が大変なので、いいレインコートがないかな、と思いまして」

 

この相談を漫然と聞いていたら、その男性にレインコートを紹介して終わりでしょう。
そこで、相談の内容を、頭の中で映像化しながら聞きます。次にご紹介するような映像を、思い浮かべるのです。
 

大雨バイク.jpg

 

上のような映像をイメージして話を聞いていたら、次の提案ができないでしょうか?

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