
2026/09/30
信用金庫や銀行に預けたお金は、もし金融機関が破綻してしまった場合、どうなるのでしょうか。そこで知っておきたいのが「ペイオフ」という仕組みです。
この記事では、大阪信用金庫の運営するメディア「だいしんネットAKINAI」が、ペイオフの基本から、保護される金融機関や預金の範囲まで、できるだけわかりやすく整理していきます。
金融機関が破綻したときに預金者を守るために設けられているのが「預金保険制度」です。対象となる金融機関に預け入れた預金は、この制度によって一定の範囲まで保護されます。
「ペイオフ」は本来、金融機関が破綻した際に、預金保険機構が預金者へ直接保険金を支払う方式を指す言葉です。一方で、金融機関が破綻した際に、預金等のうち一定額のみが預金保険による保護の対象になることを指して使われることもあります。

では、どの金融機関の、どのような預金が、いくらまで保護されるのでしょうか。順番に見ていきましょう。
預金保険制度は、すべての金融機関に一律で適用されるわけではありません。まずは、対象となる金融機関と、対象とならない金融機関を整理します。
預金保険制度の対象には、銀行や信用金庫をはじめ、さまざまな金融機関があります。
具体的には、日本国内に本店がある銀行のほか、信用金庫、信金中央金庫、信用組合、全国信用協同組合連合会、労働金庫、労働金庫連合会、商工組合中央金庫が対象です。ゆうちょ銀行の貯金も、同じく保護されます。
信用金庫や銀行に預けるお金と、ゆうちょ銀行に預けるお金の呼び方の違いについては、こちらの記事をご確認ください。
次に、預金保険制度の対象とならない金融機関を見ていきましょう。
たとえば対象金融機関であっても、その海外支店に預け入れた預金は制度の対象外です。また、外国銀行の在日支店や、政府系金融機関への預金なども、同じく対象になりません。
さらに、JA(農協)やJF(漁協)、農林中央金庫なども預金保険制度の対象ではありませんが、これらについては「農水産業協同組合貯金保険制度」という別の制度によって貯金が保護されています。
保護される金額は、預金の種類によって異なります。ここでは「一般預金等」と「決済用預金」の二つに分けて見ていきます。
利息の付く普通預金や定期預金、定期積金などは「一般預金等」と呼ばれ、1金融機関につき預金者1人あたり、元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。
ここで注意したいのが、口座単位ではなく預金者単位で判断されるという点です。同じ金融機関のなかで複数の口座を持っていても、あるいは別々の支店に分けて預けていても、同じ預金者の預金は合算されます。これを「名寄せ」といいます。口座を分ければ、その分、保護額が増えるというわけではないのです。
これに対して、当座預金や利息の付かない普通預金などの「決済用預金」は全額が保護されます。「無利息」「要求払い」「決済サービスを提供できること」という三つの要件を満たす預金がこれに当たり、保護される金額に上限はありません。
金融機関が預金保険制度の対象であっても、すべての預金商品が保護されるわけではありません。たとえば、外貨預金や譲渡性預金などは預金保険制度の対象外です。
利用している預金が制度の対象になるか分からない場合は、預け先の金融機関に確認しておくとよいでしょう。
具体的な例で考えてみましょう。同じ金融機関に、普通預金で600万円、定期預金で700万円を預けていたとします。合計すると1,300万円です。
この場合、一般預金等として保護されるのは元本1,000万円までとその利息等です。残る300万円については、破綻した金融機関の残余財産の状況に応じて支払われるため、一部が支払われない可能性があります。
つまり、「1,000万円を超えた部分が必ずなくなる」というわけではありませんが、全額が保護されるわけでもないことを覚えておきましょう。
制度の仕組みが分かったところで、自分の預金を守るために、日ごろから確認しておきたいことを整理しましょう。まずは、預け先が預金保険制度の対象かどうか、自分の預金がどこまで保護されるのかを把握しておくことが大切です。
また、金融機関について知るには、ディスクロージャー誌などの公開情報も参考になります。事業の概況や財務情報などを確認することで、その金融機関への理解を深め、今後の取引を考える際の判断材料にできます。大阪信用金庫でも、事業の概況や各種財務情報などをまとめたディスクロージャー誌を公開しています。
ペイオフは、日ごろあまり意識することのない制度ですが、大切な預金に関わる仕組みです。この機会に、どの金融機関に、どのような預金を、いくら預けているのかを一度整理してみてはいかがでしょうか。