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「それじゃ君、広報お願いね」

そんな一言で、突然広報を任されることになった…。中小企業ではめずらしくない光景です。専任の広報担当がおらず、社長自らが広報を兼務しているケースも少なくありません。

こうして始まる「ひとり広報」。しかし、いざ着手しようにも、何からすべきか分からない、という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「ひとり広報」とは何かという基本から、最初の90日間で取り組むべきことまで、これまで多くの「ひとり広報」の立ち上げを支援してきたアトリア合同会社の濱崎が解説します。

 

 

ひとり広報とは?

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「ひとり広報」とは、広報業務の中心を一人の担当者が担う体制のこと。専任の場合もあれば、総務、採用、営業、Web運用担当などと兼任している場合もあります。
 

しかし、広報担当者の仕事は、情報を一方的に発信することだけではありません。

経営課題に合わせて立てた方針を元に社内で情報を集め、記事やSNS、プレスリリースなどで発信するのはもちろん、顧客や取引先、求職者、従業員、メディアなどの反応を受け取って分析し、次の発信や社内改善へつなげるのも広報担当者の役目です。
 

これらの仕事を一人で担当するのは負荷が大きく、「兼任業務が忙しくて広報が後回しに…。」「相談相手がおらず判断に時間がかかる」「成果をPV数や『いいね』の数以外で説明しにくい」といった悩みも尽きません。
 

だからこそ、「ひとり広報」をすることになったら、個人の頑張りだけに頼らず、情報が集まり、発信が進む仕組みをつくることが必要不可欠です。

今回は、これまで広報を体系的に行ってこなかった企業において「ひとり広報」の体制をつくる前提で、何に取り組むべきかをお伝えしていきます。

 

 

「ひとり広報」最初の90日にすべきこと

最初の90日間で重要なのは、発信量を無尽蔵に増やすことではなく、無理なく広報活動を続けられる一連の流れをつくることです。

スタートダッシュとして最初の90日間にすべきことを、30日ごとに区切ってお伝えします。

 

 

1〜30日:目的、相手、社内にある素材を整理する

最初に行うのは、SNSアカウントの開設ではありません。まずは焦らず、広報で会社のどんな課題を解決したいのか、一文にまとめることから始めましょう。

 

「○○という課題の解決に向け、△△へ□□を伝え、××してもらう」

自社の広報課題を、この一文にまとめることができれば、あとは手を動かしていくだけになります。

 

ここで、私が実際に支援を行った、とある老舗のお菓子屋さんの事例をご紹介します。


その会社では、定番商品はあるものの、新しいお客さんに店を知ってもらい、来店につなげるための情報発信に課題を抱えていました。

そこで、広報で解決すべき課題を掘り下げてみると、完成した商品の魅力は伝えられていても、そのお菓子がどのように作られているのか、製造工程や作り手のこだわりまでは十分に発信できていないことが分かりました。

 

先ほどの型に当てはめると、「新規層からの認知が薄いという課題の解決に向け、まだ来店したことのないお菓子好きの人へ、製造工程や作り手のこだわりを伝え、商品への興味と来店のきっかけをつくる」と整理できます。

 

ここまで決まれば、優先すべき内容も見えてきます。それは、商品の完成写真や販売情報を増やすだけでなく、店頭からは見えない製造工程を、写真や動画で分かりやすく伝えるという方向性です。

 

方向性を決めたあとにすべきことは、現在の発信状況と社内にある素材の棚卸しです。会社案内、営業資料、商品写真、採用時によく聞かれる質問、過去のお知らせなど…社内の改善記録さえも捉え方によっては広報素材になります。

月1回30分など、無理のない範囲で経営者や現場へのヒアリングを設定するのもネタ集めとしておすすめです。その場では、前回から変わったこと、顧客からよく問い合わせがあったこと、喜ばれたことや困ったこと、今後の予定、公開できる数字や資料について確認します。

 

先ほどのお菓子屋さんの場合は、工場見学などで製造工程を見た人の反響が良いことを受けて、Instagramでお菓子ができる様子を発信するようになり、お客さんからの「投稿を見て食べたくなったから来ました!」という嬉しい反応にもつながりました。

 

初期段階では、これまでの発信状況と広報の方針をまとめた後、使える素材を集めてすぐ取り出せるようにしておくことが大切です。発信すべき情報や、そうでない情報の選別、許可取り等も終わらせておくと、その後の広報活動がスムーズに進むでしょう。

 

 

31〜60日:優先する媒体を決め、広報カレンダーを作る

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広報の大枠が見えてきたら、届けたい相手がどのような手段で、どんな情報を探しているのかを逆算して、媒体を選びます。

 

取引時の信頼材料を増やしたい場合、会社ホームページのお知らせや事例紹介が候補になります。

採用が目的なら、採用ページや社員紹介が中心です。新商品や新たな取り組みを広く知らせたいというケースでは、プレスリリースも選択肢に入ります。

 

最初から複数のSNSや動画、ブログへと手を広げる必要はありません。情報を蓄積する中核媒体を一つ決め、そこへ読者を誘導する経路を設けるところから始めましょう。

 

そして、記事や投稿の公開予定日をカレンダーへ記載します。可能であれば、広報専用にカレンダーを作成し、メモとして届けたい相手や必要な素材、資料を一緒にまとめておくのがおすすめ。

発信ネタを思いつくたびに投稿するのではなく、ネタをストックした上で、いつ発信するのかを予定として先に決めておくことが継続への近道になります。

 

販促の重点期間など、社内の動きも入れておくと連携がしやすくなります.png販促の重点期間など、社内の動きも入れておくと連携がしやすくなります。

 

 

61〜90日:発信し、次回の改善点を決める

広報活動を完璧にこなそうとするより、どんどん記事や投稿を公開し、振り返りまで進めるようにしましょう。広報カレンダーには、投稿を振り返るための日も記載しておくと、確認と改善のサイクルを作りやすくなります。

 

振り返りの際は、予定どおり発信できたか、届けたい相手に届いたか、その後の行動につながったかという順番で確認します。予定日に公開できなかった場合は、原稿作成や確認工程に問題があった可能性があるでしょう。閲覧数が少なければ、内容だけでなく、検索やSNSからの誘導方法も見直す必要があります。

 

記事やSNS投稿が閲覧されても、問い合わせや応募につながらない場合、内容と読後の案内がかみ合っているかを確認する必要があります。

広報活動の効果を把握するため、お問い合わせフォームに「当社を知ったきっかけ」を設けたり、購入や商談の際に経緯を確認したりするのも有効です。

 

 

一人で抱え込まず、広報を続ける仕組みのつくり方

ひとり広報が続かなくなる原因は、担当者の意欲不足とは限りません。情報収集、確認、保管、振り返りの仕組みがなければ、毎回ゼロから手探りをすることになります。

 

まずは無理なく続けられるサイクルを編み出すことからはじめましょう。

広報活動の過程で集めた情報は、ネタ帳へ残し、保管しておきます。アイデアや素材がメール、チャット、手帳へ分散しないよう、アイデアの保管場所をひとつに定めておくのがコツです。

 

成果を確認するときは、PVだけを見ないことも大切です。

採用が目的なら、応募数や応募者の認知経路、問い合わせ獲得が目的なら、資料請求数や商談数をチェックします。信頼材料を増やすことが目的なら、営業担当者が記事を活用した回数や、取引先からの反応も判断材料になります。

 

そして、広報活動のすべてを社内で行う必要もありません。

解決したい経営課題、自社の強み、公開内容の最終判断などを広報担当の仕事として残しつつ、記事やプレスリリースの制作、デザイン、SEO、写真、動画、法令や表現の確認などは、必要に応じて外部へ委託すると、効率の良い発信ができます。

 

 

まずはサイクルづくりに専念しよう

ひとり広報の立ち上げで大切なのは、目的を決め、情報を集め、適切な媒体で伝え、反応を次へ生かす流れをつくることです。

あらゆる媒体を一人ですべて運用しなくても、広報は始められます。自社にとって必要なものだけを見極めて、まずは90日間で改善まで一巡させることから始めてみましょう。

 

「AKINAI」には広報に役立つ記事もたくさんあるので、ぜひ読んでみてくださいね!

 

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