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自分なりに一生懸命文章を書いたのに、「結局、何を伝えたいの?」と言われてしまう。そんな経験はないでしょうか。

文章が伝わらないと、つい語彙力や表現力不足を疑いたくなりますよね…。しかし、本当の原因は言葉の難しさではないかもしれません。

今回は、アトリア合同会社のライター・濱崎が、年間200本以上のプレスリリース・記事を執筆してきた実績をもとに、文章で誤解なく自分の考えを伝えるために気を付けるべきことと、すぐ実践できる7つのコツをご紹介します。

 

 

「わかりやすい文章」を紐解いてみる。

わかりやすい文章とは何か。短くてキャッチーな文章でしょうか?それとも、関連情報までみっちり盛り込まれた文章でしょうか?

いいえ、本当にわかりやすい文章とは、読み手に「何について書かれているのか」「結論は何か」「自分は何をすればよいのか」を過不足なく伝える文章のことです。

多くの場合、文章のわかりにくさは、書き手が知っていることを読み手も知っている前提で書いた時に生まれます。自分の中では当たり前の略称も、初見の読者には伝わりません。

また内容が噛み砕かれていても、一文が長く改行がない文章は読みにくくなります。そして、スムーズに読めても結論が見えなければ、わかりやすい文章とはいえません。

つまり「読む」という観点と「理解する」という観点で読者に寄り添うことができている文章こそ、わかりやすい文章だといえるのです。

 

 

文章を書く前に気を付けるべきこと

文章をわかりやすくする作業は、書き始める前から始まっています。まず必ず決めたいのは、「誰に読んでもらうのか」。同じ商品について説明する場合でも、初めて商品の存在を知る顧客と、仕様を比較したい仕入れ担当者では、必要な情報が異なります。最初の段階で、誰のための文章かを明確に決めておくようにしましょう。「誰にでも刺さる文章」など、存在しません。

続いて、読後の状態を考えます。内容を知ってもらうだけなのか、打ち合わせの候補日を選んでもらうのか、はたまた問い合わせてほしいのか。読者に期待する行動が明確になると、書くべき内容もおのずと絞られてきます。

そして、最も伝えたい内容を決めます。「会議の日程を変更したい」「新商品の予約を受け付ける」「この設備なら短納期に対応できる」などなど…。内容を一つしか伝えられないのだとしたら何を伝えたいか決めておくと、文章を書き始めるタイミングでも迷いが生じません。

文章を書き始める前にこれらの事項を決めておくことができたら、「とりあえず」で書き始めるよりもスムーズに筆が進むはず。急がば回れ、です。

 

 

例文で学ぶ、わかりやすく伝える7つのコツ

「誰に伝えるのか」「読後の状態」「伝える内容」が決まったら、いよいよ文章を書く段階に入りましょう。わかりやすい文章を書くには数多の語彙も、美しい文章表現も必要ありません。さっそく、すぐにでも実践できるコツを7つお伝えします。

 

 

1.一文に一つの内容だけを書く

まずはこの文章を読んでみてください。
「新商品を9月に発売し、予約はWebサイトで受け付けており、店頭受け取りも選べます」

いかがでしょう、要点は伝わりますでしょうか?

そう、この文章のように情報を詰め込むと、要点がぼやけてしまい、わかりづらい文章になってしまいます。「新商品が9月に発売されます。予約はWebサイトで受け付け予定。店頭受け取りも選択可能です。」と分けるだけで、情報の境目が見えるようになります。

ポイントは、一文に一つの内容だけを入れるようにすること。「一文一義(一文一意)」と言われるテクニックですが、これを意識するだけで文章は格段に読みやすくなるはずです。

 

 

2.結論を先に示す

たとえば、メール文章を書く時のこと。

「担当者の予定を確認したところ、当日は出張が入っており……」と事情から書き始めてしまうと、読み手は「結局、何が言いたいの?」と感じてしまいます。

打ち合わせの日時を変更するのか、担当者不在で打ち合わせをするのか、最後まで文章を読まないとわからないと、相手をモヤモヤさせてしまいます…。

もちろん、事情をしっかり説明することは大切です。ただ、「打ち合わせを9月3日に変更していただけないでしょうか」と結論を先に伝えてから、経緯を伝えるようにしましょう。

 

 

3.主語と述語を対応させる

コツというより、ミスの是正ともいえるのですが…。
巷には主語と述語が対応していない文章が溢れています。

主語・述語という単語、久しぶりに聞いたという方もおられるかもしれないので、念のため解説しておきます。主語は「誰が(何が)を示す言葉」、述語は「どうした(どうする)を示す言葉」です。「犬が歩く」の主語は「犬」、述語は「歩く」です。

本題に戻りましょう。ビジネス文章でよくあるのは、「当社の特徴は、小ロットから短納期で対応できます」というようなミスです。「当社の特徴(主語)は、〜対応できます(述語)」と短くしてみると違和感に気づけるでしょうか。

この場合、述語を調整して「当社の特徴は、小ロットから短納期で対応できることです」と書けば、文の骨組みが整い、違和感を解消することができます。長い一文ほど、主語と述語だけを抜き出して確認してみるのがおすすめです。

 

 

4.抽象的な言葉は数字や具体例に置き換える

「迅速に返信します」よりも、「2営業日以内に返信します」のほうが、対応の速さを具体的に想像できます。「豊富な実績」であれば、対応件数や継続年数など、その言葉を裏付ける事実を添えましょう。

 

 

5.専門用語を読み手の言葉へ翻訳する

専門用語を完全に避ける必要はありません。ただし、「リードを育成する」のように業界外の人に伝わりにくい言葉には、「見込み顧客へ継続的に情報を届け、相談につなげる」と説明を加えます。相手が普段使う言葉まで橋を架けるイメージです。

 

 

6.事実と意見を分ける

掲載場所によっては特に注意が必要なことですが、事実と意見は明確に分けておく必要があります。

たとえば、「アンケート回答者の80%が満足と回答した」は事実ですが、「多くの人に支持される商品だと考えています」は書き手の解釈です。両者を混同して書いてしまうと、どこまでが確認できている情報なのかが不明瞭になり、文章の信頼性が低くなる恐れがあります。もちろん、意見を事実のように見せかけるのは御法度です。

 

 

7.曖昧な表現を減らす

「これをしっかり進めてください」では、誰が、何を、いつまでに行わなければいけないのか、わかりません。「営業担当者は、8月31日までに顧客リストを更新してください」とできるだけ明確にする必要があります。

特に「これ」「しっかり」「さまざま」「なるべく」を見つけたら要注意。具体的な情報を省略することで誤解が生じると、時間のロスにもつながってしまうので、はじめに文章を作成するタイミングで情報をできるだけ具体化する習慣を身に付けておきましょう。

 

 

公開前には初見の目で推敲しよう

この記事でご紹介した文章のコツは、どれもすぐ取り入れられるものばかりです。ぜひ文章を書く時、意識してみてください。

そして最後に。書き手には、文章に書いていない背景まで見えているものです。書き終えた直後は説明不足に気づきにくいものなので、少し時間を置いてから、改めて「この会社や案件を初めて知る人でも理解できるか」という目でご自身の文章を読み直してみてください。

この連載では、仕事で使える文章の書き方をご紹介しています。ご興味があれば、ぜひ 読みやすさに特化した記事もご一読を。

 

 

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