
2026/09/28
長年、企業間の決済を支えてきた当座預金と小切手。名前は知っていても、普通預金と何が違うのか、小切手はどういった仕組みなのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。
現在、紙の手形・小切手は全面的な電子化に向けた取り組みが進められており、2027年3月31日をもって電子交換所での交換が廃止されます。
この記事では、大阪信用金庫の運営するメディア「だいしんネットAKINAI」が、当座預金と小切手の仕組みや普通預金との違い、そして進みつつある電子化の流れについて、できるだけかみ砕いてお伝えします。
当座預金は、ひとことで言えば事業上の決済に特化した口座です。個人がふだん給料を受け取ったり、お金を貯めたりするために利用するのが普通預金だとすれば、当座預金は主に企業や個人事業主が、手形や小切手などの決済に利用してきた口座です。
「当座」という言葉には、もともと「その場」「さしあたり」といった意味があります。じっくり寝かせて増やすための口座ではなく、支払いにすぐ充てるお金を一時的に置いておく場所、というイメージです。当座預金には利息はつかず、事業上の決済に利用されてきました。
同じ「預金」と名がついていても、当座預金と普通預金は性格がかなり異なります。
まずは利息です。普通預金にはわずかながら利息が付きますが、当座預金には付きません。
決済方法にも違いがあります。普通預金も振込や口座振替などの決済に利用できますが、当座預金は従来、手形や小切手による決済に利用されてきた点が大きな特徴です。
もう一つ知っておきたいのが、金融機関が破綻したときの扱いです。利息のつく普通預金や定期預金は、1金融機関につき預金者1人あたり元本1,000万円までとその利息等が保護の対象です。それに対して当座預金は、「無利息」「要求払い」「決済サービスを提供できること」という三つの条件を満たす「決済用預金」にあたり、金額にかかわらず全額が保護されます。

小切手は、当座預金口座を利用して支払うための決済手段として使われてきました。
支払う側(振出人)が金額などを記入した小切手を相手に渡し、受け取った側(受取人)が金融機関に持ち込んで支払いを受ける仕組みです。振り出された小切手の金額は、振出人の当座預金から支払われます。
現金そのものを持ち運ばずに決済できることなどから、企業間の取引を中心に長く利用されてきました。一方で、金額の記入や振出し、保管に手間がかかるほか、紛失や盗難などのリスクもあることから、現在は電子的な決済手段への移行が進められています。
現在、政府の方針を受け、産業界・金融界が連携して紙の手形・小切手の利用廃止に向けた取り組みを進めています。全国銀行協会も、2027年3月31日をもって、電子交換所における手形・小切手の交換を終了する予定です。
ただし、電子交換所での交換が廃止された後も、手形・小切手そのものが一律に使用できなくなるわけではありません。金融機関によって取扱いが異なる場合があるため、取引のある金融機関に確認しておくと安心です。
紙の手形・小切手から、でんさいなどの電子記録債権やインターネットバンキングによる振込などの電子的な決済手段へ移行すると、紙のやり取りにともなう事務負担やコストを抑えられるだけでなく、紛失・盗難などのリスクを減らすことが期待されています。
※以下は2026年9月1日現在の取扱情報です。
大阪信用金庫でも、紙の手形・小切手の全面的な電子化に向け、取扱いを段階的に終了しています。
まず、当座預金の新規口座開設については、2025年11月28日(金)をもって終了しました。すでに大阪信用金庫の当座預金口座をお持ちのお客さまは、引き続きご利用いただけます。
また、手形・小切手帳の発行受付も、2026年7月31日(金)をもって終了しました。
次に、大阪信用金庫以外を支払地とする手形・小切手の取立受付(預金口座への入金)を2026年9月30日(水)で終了します。2026年10月1日(木)以降にそのような手形・小切手を受け取った場合は、振出人などと決済方法を調整する必要があります。
そして、大阪信用金庫を支払地とする手形・小切手の振出は、2026年11月30日(月)までです。
大阪信用金庫での手形・小切手の取扱終了スケジュールについての詳細は、こちらから確認できます。
すでに手形・小切手の取立受付を終了している金融機関もあり、大阪信用金庫を支払地とする手形・小切手であっても取立を受け付けてもらえない可能性があります。現在利用されている方は、早めに電子的な決済手段への移行を進めていきましょう。
では、手形・小切手が担ってきた役割は、これからどのような決済手段が引き継いでいくのでしょうか。
一つが電子記録債権、いわゆる「でんさい」です。「でんさい」は、株式会社全銀電子債権ネットワークが取り扱う電子記録債権で、手形に代わる電子的な決済手段として利用されています。支払期日を設定でき、手形と異なり印紙税がかからないほか、保管や郵送などにかかる負担の軽減、紛失・盗難リスクの低減といったメリットがあります。
また、取引内容によっては、インターネットバンキングによる振込へ切り替えることも選択肢の一つです。窓口に足を運ぶことなく振込手続きを行えるため、事務負担の軽減にもつながります。
さらに、仕入れや経費の支払いなどでは、法人クレジットカードの活用も選択肢の一つです。支払いをカードにまとめることで、支払日や利用明細を管理しやすくなる場合もあるでしょう。
ただし、法人クレジットカードは、手形や小切手とは仕組みが異なります。利用できる取引先や利用限度額、手数料などを確認したうえで、自社の取引内容に合うか検討してください。
紙の手形・小切手から電子的な決済手段への移行にあたっては、取引先との調整や社内の事務手続きの見直しが必要になる場合もあります。大阪信用金庫では、法人・個人事業者向けのインターネットバンキングや、でんさい(電子記録債権)サービスを提供しています。
手形・小切手からの移行方法については、お取引店へご相談ください。現在、手形・小切手を利用されている事業者さまや、今後の決済方法を検討されている方は、早めの準備をおすすめします。
大阪信用金庫 法人・個人事業者向けインターネットバンキング
<https://www.osaka-shinkin.co.jp/hib/index.html>
大阪信用金庫 法人・個人事業者向けでんさいサービス