
2026/11/02
もし取引先の銀行や信用金庫が破綻したら、預けているお金はどうなるのか。そしてもうひとつ、住宅ローンや事業性融資といった「借りているお金」はどうなるのか。ふと気になったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、大阪信用金庫の運営するメディア「だいしんネットAKINAI」が、金融機関が破綻したときに、預金と借入金がそれぞれどう扱われるのかを、できるだけかみ砕いて整理していきます。

先に結論からお伝えすると、金融機関が破綻しても、そこから借りているお金の返済義務がなくなることはありません。というのも、破綻した金融機関が持っていた貸付債権、つまり「貸したお金を返してもらう権利」は、別の金融機関などに引き継がれるのが一般的だからです。
債権を引き継いだ先が、新たな債権者になると考えるとわかりやすいでしょう。返済先が変わっても、それまでの借入れそのものがなくなるわけではありません。
なお、破綻処理の方式や個別の契約内容によって取扱いが異なる場合があります。実際に金融機関が破綻した場合は、返済先や手続について、案内された窓口に確認しましょう。
では、返済先が変わることで、金利や返済期間などの条件まで不利に見直されてしまうのでしょうか。
住宅ローンや事業性融資についても、基本的にはそれまでの契約内容が引き継がれます。金融機関が破綻して債権者が変わったからといって、契約で定められた金利や返済期間などの条件が一方的に変更されたり、残っている借入金の一括返済を求められたりするものではありません。
原則として、これまでの契約内容に沿って返済を続けていくことになります。
つまり、金融機関の破綻によって返済先が変わることはあっても、それだけで借金が減ったり、返済義務がなくなったりするものではないのです。
ここまでは借入金を中心に見てきましたが、金融機関が破綻したときにもうひとつ気になるのが、預けているお金のゆくえでしょう。
預金については「預金保険制度」という仕組みがあり、対象となる預金は、種類に応じて一定の範囲まで保護されます。たとえば一般預金等は、1金融機関につき預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息等が保護の対象です。
金融機関が破綻したとき、どの金融機関の、どの預金が、いくらまで守られるのかについてはこちらの記事で整理しています。ぜひあわせてご覧ください。

同じ金融機関に、借入れだけでなく預金もあるという方もいらっしゃるでしょう。その場合に関係してくるのが「相殺(そうさい)」です。相殺とは、一定の条件のもとで、預金と借入金を差し引くこと。
たとえば、ある金融機関に1,500万円の一般預金等があり、同じ金融機関から500万円を借りていたとしましょう。
この金融機関が破綻した場合、相殺しなければ、預金のうち1,000万円までとその利息等は保護されますが、超過する500万円は一部が戻らない場合があります。そして、500万円の借入れはそのまま残ります。
これに対し、預金のうち500万円を借入金500万円と相殺できれば、借入金はなくなり、預金は1,000万円残ります。この1,000万円は預金保険制度による保護の範囲内となります。
このように、預金保険制度の保護上限を超える預金がある場合には、相殺によって損失を抑えられることがあります。なお、相殺は自動的に行われるものではなく、一定の要件を満たしたうえで預金者が手続きを行う必要があります。実際に金融機関が破綻した場合には、案内される手続きや条件を確認しましょう。