
2026/09/17
会社を設立する際に、必ず作成しなければならないのが定款です。会社設立に欠かせないものですが、定款がどのようなものかよくわからないと感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、大阪信用金庫の運営するメディア「だいしんネットAKINAI」が、定款の意味や記載事項、定款認証の概要や費用などを解説します。
定款(ていかん)とは、会社の目的や組織、運営に関する基本的なルールを定めたものです。会社の憲法とも呼ばれ、株式会社や合同会社などを設立する際に必ず作成しなければなりません。
記載する内容は会社法で定められており、事業の目的や商号、本店の所在地などをはじめとする重要な事項を盛り込みます。会社の根本的な取り決めであるため、設立後の運営もこの定款に沿って行われます。
定款と字面が似た言葉に「約款(やっかん)」があります。どちらも取り決めを定めたものですが、対象が異なります。
・定款:会社そのものの組織や運営に関するルール
・約款:(保険やサービスの契約など)事業者と利用者との間の契約条件をまとめたもの
このように、定款と約款とでは性質が大きく異なります。
定款に記載する事項は、「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3つに分けられます。会社の種類によって具体的な記載事項は異なるため、ここでは株式会社を例に紹介します。
必ず記載しなければならない事項で、記載がないと定款そのものが無効となります。事業の目的、商号、本店の所在地、設立に際して出資される財産の価額またはその最低額、発起人の氏名または名称および住所が該当します。
記載しなくても定款は有効ですが、記載しなければその事項の効力が認められないものです。株式の譲渡制限に関する定めなどが挙げられます。
会社法に違反しない範囲で、任意に記載できる事項です。事業年度や役員の人数などがこれにあたります。
株式会社を設立する場合は、作成した定款について、本店所在地を管轄する法務局または地方法務局に所属する公証人の「認証」を受ける必要があります。認証とは、定款が正当な手続きで作成されたことを公証人が証明する手続きのことで、たとえば弁護士法人の場合は必要ですが、合同会社の場合は定款認証が不要です。
定款には紙で作成する方法と、電子データで作成する「電子定款」があります。電子定款であれば、紙の定款で必要となる印紙税4万円がかかりません。
電子定款であれば、公証役場へ足を運ばなくても、Web面談方式で認証手続きを完結することができます。パソコンやスマートフォンから公証人と画面越しに面談し、本人確認などを受ける流れです。遠方の公証役場を管轄とする場合でも、現地へ出向く必要がありません。
注意したいのは、オンラインであっても面談そのものは省略されない点です。役場に行かずに面談を受けられる仕組みであり、面談なしで認証が済むわけではありません。
また、面談の前には、定款案や実質的支配者となるべき者の申告書などを公証役場へメールなどで送り、事前確認を受ける必要があります。発起人が定款作成代理人に定款作成を委任している場合には、委任状や印鑑登録証明書などの原本を郵送しなければならないため、注意が必要です。予約方法や必要書類は役場によって扱いが異なることもあるので、早めに管轄の公証役場へ確認しておくと安心です。
なお、マイナポータルを使い、定款認証から設立登記までをまとめて申請できる「法人設立ワンストップサービス」という仕組みもあります。詳しくはこちらの記事でご確認ください。
株式会社の定款認証手数料は、原則として資本金の額などに応じて次のように定められています。資本金100万円未満は3万円、100万円以上300万円未満は4万円、300万円以上は5万円です。
なお、2024年12月1日からは、資本金100万円未満の株式会社のうち、発起人全員が個人で3人以下であること、発起人が設立時発行株式の全部を引き受けること、取締役会を設置しないことのすべてを満たす場合、認証手数料が1万5,000円に引き下げられています。
このほか、定款の謄本を請求する場合は、1枚につき250円の手数料がかかります。
会社設立後、金融機関の口座開設や各種手続きの際に、定款の写し(コピー)の提出を求められることがあります。その際、提出先によっては「原本証明」を求められることも。
原本証明とは、提出するコピーが原本と相違ないことを、代表者が証明するものです。一般的には、コピーの余白などに「この写しは原本と相違ありません」と記載し、日付・会社名・代表者名を添えて代表者印を押します。
ただし、記載方法や押印の要否は提出先によって異なる場合があるため、事前に確認しましょう。
定款は、会社の基本的なルールを定める重要な文書です。記載事項には会社法上のルールがあり、株式会社では公証役場での認証も必要となるため、事前にポイントを押さえて準備を進めることが大切です。
大阪信用金庫が運営するシェアオフィスでは、常駐するセンター長が創業支援やビジネスマッチングを通して、会員様の事業拡大に伴走しています。会社設立に向けた準備だけでなく、設立後の事業展開についても、お気軽にご相談ください。
定款認証を受ける公証役場は、会社の本店所在地によって管轄が決まっています。大阪の公証役場についてはこちらの記事でまとめていますので、あわせてご覧ください。
だいしんシェアオフィス夢やさかい