
2026/10/02
「個人事業主」と「フリーランス」。どちらも会社に属さずに働く人というイメージで使われることがありますが、これらは同じではありません。
この記事では、大阪信用金庫 の運営するメディア「だいしんネットAKINAI」が、個人事業主とフリーランスの違いを、税務と働き方の観点から解説します。
個人事業主は「個人で事業を営む人」を指す言葉、フリーランスは「働き方」を表す言葉というように、この2語はそもそも着目している点が異なります。
個人事業主とは、法人を設立せず個人として継続的に事業を営んでいる人のこと、対するフリーランスは、特定の企業などに雇用されるのではなく業務委託などで仕事を請け負う働き方そのものを表します。

たとえばデザイナーやライター、エンジニアとして独立している人は、働き方で見ればフリーランス、事業の形で見れば個人事業主と呼び分けられているように、両者は対立するものではなく、重なり合う部分が大きいのです。
税の計算や申告では、「個人事業主」「フリーランス」という呼び名そのものより、得た所得の性質が問われます。所得税では、その性質に応じて事業所得や雑所得などに分けて扱われるためです。
個人で事業を始めた場合、まずは開業届の提出など、必要な手続きを行います。あわせて青色申告の承認を受け、一定の要件を満たせば、青色申告特別控除といった制度を利用できるようになります。
一方の「フリーランス」は、税務上の所得区分を示す言葉ではありません。フリーランスとして得た所得であっても、仕事の実態などによって事業所得や雑所得などに区分されます。
働き方という視点で見ると、フリーランスは、仕事の受け方に着目した言葉であることがわかります。
会社員として働きながら休日に案件を受ける人も、副業として単発の仕事を請け負う人も、働き方の面ではフリーランスと呼ばれます。実際、会社員であっても、副業で他の事業者から業務委託を受ける場合には、一定の要件を満たせば「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」の対象となります。
一方の個人事業主は、働き方ではなく、個人で事業を営んでいることに着目した呼び方です。一般には、個人として継続的に事業に取り組んでいる人を指します。

言い換えれば、フリーランスとして仕事をしながら、個人で継続的に事業を営んでいれば、その人は個人事業主でもある、というイメージです。
どちらを名乗るかは、場面に応じて選べば問題ありません。相手に働き方やスタンスを伝えたいときは「フリーランス」と名乗ってもよいですし、税務や行政の手続きでは、それぞれの制度や書類で定められた区分に従えば十分です。
大切なのは呼び方そのものより、個人で事業を始めたら開業届を出し、所得の状況に応じて確定申告を済ませておくことです。
そして事業が軌道に乗り、規模が大きくなってくると、個人事業主から会社(法人)設立へと踏み出す「法人成り」を検討する場面も出てきます。そのタイミングや手続きの流れについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。