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「ブランディングって、そもそも何?」という疑問に答えた前回
第2回は、自社の価値を整理して、選ばれる企業になるためのブランディングのステップを紹介します。

 

【記事執筆】

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TTDESIGN(支援機関)

 

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1. ブランディングは「自社を知ること」から

「何のために事業をしているか」を言語化する

ブランディングの第一歩は、“なぜこの事業をしているのか”という原点に立ち返ることです。
それは単なる売上目標ではなく、社会にどんな価値を届けたいか、誰にどんな未来をつくりたいかという、いわば「志」の部分です。

 

例えば、以下のような取り組みで、言語化することができます。

・自社の存在理由を30秒で説明してみる

・なぜ他ではなく、この仕事を選んだのか?原体験を掘り下げてみる

・経営者・創業者の想いを社内共有用に書き起こしてみる(例:「創業ストーリー」)

 

 

自社の強みを棚卸しする

強みとは、顧客から見て「他社よりも価値がある」と感じてもらえるポイントです。

価格や商品の機能だけでなく、対応スピード・接客の質・職人技・地域密着力・希少性など、“目に見えにくい価値”こそ見逃されがちです。

 

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こういった方法で、自社「らしさ」を表す強みが見えてきます。

 

 

社内でバラバラな認識がないか?をチェック

自社の志や強み、ブランドメッセージに関する経営者の考えと、現場スタッフの認識にズレがあると、ブランドメッセージは必ずブレます。
「志」や「強み」を伝える以前に、「社内の共通理解ができているか?」が非常に重要です。

 

※「ブランドメッセージ」とは、
企業やブランドが「何を大切にしているのか」「どんな価値を提供するのか」を一言で伝えるメッセージのことです

 

以下のような取り組みを実施してみるとよいでしょう。

 

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2. 顧客にとっての「価値」を再定義する

「自分たちが売りたいもの」より「相手が欲しいもの」

売り手は「これを売りたい」と思いがちですが、買い手は「これが欲しい」と思っているとは限りません。
“企業視点”から“顧客視点”への転換こそが、ブランディングの本質です。

 

まずは顧客視点で自社商品・サービスを見つめ直してみましょう。

 

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ペルソナ(理想の顧客像)を描いてみる

すべての人に好かれるブランドは存在しません。
だからこそ、自社にとって最も“相性のよい顧客”=ペルソナ(顧客モデル像)を明確にすることが必要です。

まずは既存顧客のペルソナから作成するとよいでしょう。

 

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ペルソナのライフスタイルや価値観などを詳細に書き出す事で、よりリアルで解像度の高いペルソナが作成できます。

詳細なペルソナは社内で明確な共通認識をもつためにも欠かせません。

 

 

3. 世界観を整えるためのツールづくり

ツールづくりで注意すべき点として、ロゴやスローガンは“結果”であって“作ることが目的”ではありません。

ブランディング=見た目、と思われがちですが、それは表層的な部分。

本当のブランディングは「中身(思想・目的)」が先にあり、見た目はその翻訳結果に過ぎません。とはいえ、統一感のある見た目は、ブランドを強く印象付けるには必要不可欠です。

一貫性を持つ事を意識して、ツールづくりを行いましょう。

 

ロゴは 「会社の顔」

ロゴは名刺・看板・Webサイト・商品パッケージなど、顧客とのあらゆる接点に登場し、視覚的に「この会社だ」と認識してもらう役割を担います。

 

第一印象を決める:数秒で「信頼できそう/センスがある」と直感される

記憶に残る:文字よりも視覚は記憶に残りやすく、リピートや紹介に繋がる

一貫性を生む:どの媒体でも同じロゴを使うことで、安心感や統一感が生まれる

 

つまり、ロゴは単なるマークではなく、ブランドを一目で伝える「象徴」です。

 

 

スローガンの役割

スローガンは 「ブランドの約束や想いを端的に表す言葉」 です。

顧客や社員に向けて、「私たちは何を大切にし、何を提供する会社か」を短い言葉で伝えます。

 

価値を一言で伝える:「安さ」なのか「品質」なのか「安心感」なのかを明確化

社員の行動指針になる:迷ったときに「うちのスローガンに沿っているか?」で判断できる

外部へのメッセージになる:広告やWebで使えば「この会社はこういう姿勢なんだ」と一目でわかる

 

例:

Nike → Just Do It.(行動を後押しする)

無印良品 → しるしのない良い品(ありのままの価値)

 

 

Webサイト、名刺、チラシなど「情報の統一性」をもたせる

言葉、色、フォント、写真、温度感――あらゆる接点が「同じ空気感」を持っている事で、一貫性のある世界観が完成します。

自社のツールをつくる際には以下の点に注意するとよいでしょう。

 

・顧客が触れる媒体(Web・紙・LINE・DMなど)をすべて並べて、トーンが統一されているかチェック

・デザインガイドライン(色・書体・表現)を簡易的に作成

・使いたくない言葉/表現を「NGワードリスト化」しておく

 

 

「目に見えない一貫性」を育てるブランド体験

「ブランド体験」とは、目にみえるものだけではありません。顧客が会社や商品と関わるすべての接点で感じる「印象や感情の積み重ね」のことです。

単に「商品を買った瞬間」だけではなく、次のようなあらゆるシーンがブランド体験に含まれます。

 

購入前:Webサイトの見やすさ、問い合わせへの対応、広告の雰囲気

購入時:店舗やスタッフの接客態度、包装、価格の納得感

購入後:アフターサービス、保証対応、SNSでの発信や顧客コミュニティ など

 

例えば「この体験は“自社らしさ”と言えるか?」と現場で都度確認することや、ブランドらしい行動を“習慣”として社内ルール化する(例:来店時は必ず◯秒以内に声かけ)

などで「目に見えない一貫性」を育てていきましょう。

 

 

4. 社内への浸透が最重要

 社員がブランドを体現できているか

ブランドは社内で生きてこそ意味があります。社員一人ひとりが「このブランドってこうだよね」と自然に語れる状態は、社外からの信頼につながります。

そのためには「社員がブランドの顔である」という前提で接客や営業マナーを設計し直し、社員インタビューをWebに掲載したり、新人研修に経営理念のセッションを組み込むことが有効です。

 

 

 朝礼や日報でブランド価値を確認する

ブランド浸透には“繰り返し”が欠かせません。朝礼や定例ミーティングで経営理念や価値観を共有し続けることで、少しずつ組織の空気が変わります。

日報には「今日の行動はブランドに沿っていたか?」という振り返り欄を設けたり、月に一度「ブランドミーティング」を開き、成功体験を共有するのも効果的です。

 

 

社員一人ひとりが「語れる会社」へ

ブランドの強さは、社員が自分の言葉で会社を語れるかどうかに表れます。決まり文句ではなく、“自分の想い”として語れる状態が理想です。

そのためには、定期的に「うちの会社の魅力は何ですか?」と問いかけたり、社員が語るブランドストーリーを社内報やSNSで発信したり、

名刺交換や面接の場で語れる一言PRを全員で磨くワークショップを行うことが有効です。

 

 

【まとめ】ブランドは「整理」であり、「共通言語」づくり

中小企業にとって、ブランドとは「広告ではなく、信頼の設計」です。まずは自分たちの中にある魅力や価値を“整理”し、それを社内外で共有できる“共通言語”にすることから始めましょう。
その積み重ねこそが、ブランドの力となり、選ばれる理由になっていくのです。

 

 

 

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▼第1回「ブランディング」とは何か? “選ばれる理由”をつくる企業戦略

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