
だいしんネットAKINAIをご覧の皆様、こんにちは。
クリックいただきありがとうございます。社会保険労務士法人A&Gマネジメントコンサルティングです。
色々な価値観を受容して個人を尊重する時代ですが、社業の発展にチームプレイが寄与するとお考えの会社様は、会社のルールを伝えることの困難さを痛感されておられるのではないかと思います。
従業員の多くはインターネットやSNSを通じて、労働の専門家あるいはそうでない人からの様々な情報を得ておられます。誤った情報を信じ込んでいる人に、正しい説明をしても伝わらないことが多いです。
今回ご紹介するお話は、実際に起こったトラブル事例を参考にしています。従業員に対して、“社是や企業理念の落とし込み”や定期的に“働くルールの研修を行うこと”の重要性をお伝えできれば幸いです。

勤続20年、50歳の従業員Sさんが6か月前に退職を申し出てきた。妻の実家の家業を継ぐためで、退職日は会社が新しく採用した従業員との引継ぎが終了した日で合意しており、なんとか後任も確保して引継ぎも終了した。Sさんは年次有給休暇の残りを消化して退職することとなり、出勤最終日の朝に、総務担当者がSさんに対し、退職に関する説明をし、退職時の誓約書提出等の手続きを行っていた。面談が終わったあと、総務担当者が社長室にやってきた。
「社長。Sさんですが退職届は書かないと言っています。解雇にしてほしいと。解雇になれば、失業保険の受給期間が延びるそうです。Sさんの友達がそういう風にしてもらって得したと言っていました。」
そうなん?と総務担当者に聞いたら自己都合なら150日分、解雇にしたら330日分の失業保険になるという。

会社を退職した人から失業保険の話を聞くことはないけど、ウチの会社では入社して2~3か月以内に退職しなければ、ほぼ定年まで働く人が多いから、社長自身は失業保険に加入せんでもエエ位の優良会社やと自負している。退職の理由で受け取れる日数がこんなに異なるのには驚いた。保険料をコツコツ納めているのも同じなのにSさんが損することも可哀そうな気がした。総務には「長いこと勤めてくれたんやし、会社が失業保険を払う訳じゃないし、他の会社でもそうしてはるなら、解雇の処理をしてやったらエエんちゃうか。」と許可して手続きさせた。
3か月後、子育てが一段落したパートが正社員になりたいと言ってきた。正社員にすれば、雇用保険から助成金を受け取ることができると教えてもらったので、申請手続きをした。ところが、Sさんを解雇したことが原因で、助成金を受け取ることができなかった。

退職理由によって受け取れる日数が大きく異なることと、家庭の都合で退職するのに会社の都合にしてほしいと言ってくることに驚いた。ハローワークに提出する公の書類に、事実ではないことを書いて出すことに抵抗があった。総務担当者に従業員が退職届を提出しない場合の手続きをハローワークに確認させた。ハローワークの担当者から「会社が認識している内容をそのまま記載してもらえば良いですよ」と説明を受けた。その日の午後、Sさんを呼んで、「長いこと勤めてくれた感謝はあるので、Sさんの希望には沿いたいが、実際は自己都合退職なので解雇扱いはできない。」と伝えた。Sさんはあっさり「無理なら良いです。」と言ったので、目の前で退職届を書かせた。Sさんは、「お世話になりました。」と、にこやかに社長室を出ていった。

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