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記事提供:三井住友トラスト不動産株式会社

 

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円安や人件費の高騰で新築マンション価格が高騰 連動して中古マンションも価格上昇

今円安の進行による資材価格の高騰に加え、イラン情勢の緊迫化によって原油から精製される建築資材や設備が入手困難になるという“ナフサショック”の発生(影響はむしろこれから本格化する可能性が高いと考えられます)、建設業・運輸業での人手不足の深刻化、地価の上昇、さらには2025年4月から新築住宅について義務化された省エネ性能への適合など、住宅市場を取り巻く環境は“コストアップの嵐”とも言える状況で、新築マンション・戸建の価格が上昇し、供給も絞り込まれる状況にあって、中古住宅、特に立地に優れた中古マンションの価格も連動して急速に上昇しています。

 

ただし、新築価格に連動して大きく上昇している地域もあれば、もともと新築マンション供給が少なく、それほど影響を受けていない地域もありますから、市況感はエリアごとに異なります。

 

また、話題になっている円安を背景としたインバウンドの不動産投資・投機需要については、昨年末に公表された「税制改正大綱」には具体的な政策や制度変更については明記されなかったものの、国内の不動産を外国籍の“非居住者’'が売買した際の輸出免税を廃止し、消費税の課税対象とするなど、規制を強化する方針が打ち出されたことにより、やや沈静化し始めています。

 

それでも中古マンション市場での全般的な価格上昇には歯止めが掛かっていませんから、立地や交通条件が良好な築浅の物件は、今後も価格上昇の可能性が高いと考えられます。

 

 

円安による物価の上昇で中古マンション価格も上昇し続けていたが・・

2021年以降継続する為替相場の円安基調によって、生活物資や食糧、エネルギーなど、多くを海外からの輸入に依存する日本では、消費者物価の上昇が続いています。2021年1月に1ドル=103.75円だった為替相場は、2026年5月は前月末の5兆円規模に及ぶ為替介入によっても157.10円(いずれも月中平均)ですから、この円安を背景に、海外の機関・個人投資家が国内の不動産を購入し始め、特に中古マンションは投資適性が高いこともあって都心周辺のタワーマンションを中心に価格の上昇が続いています。

 

もっとも、青天井で価格が上昇し続けることもありませんから、買い進みによって特に価値を大きく上回る価格で市場に出回っている東京湾岸エリアなどでは、一部で価格の頭打ち感が表れ始めていることも事実です。

 

今後は先行き不安の拡大から、購入意欲の減退が懸念される状況のため、市況を注意深く見続けることが大切です。

 

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■データについて

中古マンションの価格は全て不動産ポータルサイトLIFULL HOME'Sに掲載されたものを年単位で集計 ※2026年は1~4月末までのデータを使用

各圏域の地域ごとに2008年から掲出 ※熊本県および熊本市のみ2011年以降

●専有面積: 30平米未満は集計対象外 ●築年数:ゼロ年(1年未満) ~50年以内

 

 

近畿圏(大阪府/兵庫県/京都府/滋賀県/奈良県/和歌山県/岡山県)

近畿圏は大阪中心部で7,000万円台後半まで上昇 圏域全体でも上昇顕著

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近畿圏は2府4県に、隣接する岡山県を対象としてデータ集計しています。首都圏と同じく、近畿圏でも、中心部での中古マンション価格の急上昇と圏域平均の上昇傾向が明らかです。

 

近畿圏平均では2023年は2,592万円と前年比2.9%の上昇でしたが、2024年は2,682万円と上昇率が3.5%に拡大し、さらに2025年は2,968万円、2026年は4月までで3,311万円と大台を突破しています。この期間の上昇率は10%を超えていますから、価格上昇は近畿圏全体でも顕著だと言えます。大阪府平均も2023年までは上昇率が緩やかでしたが、2024年に6.2%、2025年には14.1%、そして足元では15.7%対前年比が上昇•拡大して3,838万円と、2023年から約1,000万円値上がりしています。

 

大阪市平均および大阪中心6区についても傾向は同じで、特に2024年以降は年々価格上昇率が明らかに拡大する傾向を示し、2026年は大阪市平均が5,039万円と対前年比21.4%の上昇、大阪中心6区も7,705万円と対前年比18.8%の上昇を記録しており、前年から約1,300万円もの価格の押し上げが発生しています。

 

これは首都圏と全く同じ傾向で、大阪の中心部に近づくほど中古マンションの価格上昇率は大きく、郊外方面では相対的に上昇率が緩やかです。

 

大阪市および大阪中心6区での価格上昇を支えているのは旺盛なタワーマンション需要で、梅田周辺部の大規模再開発に伴う新築タワーマンションの価格高騰によって、梅田から心斎橋エリアを中心とする立地条件の良い中古のタワーマンションにニーズが集中しています。

 

大阪市の中心部では万博やIRなど話題性の高い経済イベントが続き、インバウンドも含めて需要が顕在化していますから、大阪中心部とその周辺エリアでの価格上昇は今後も続く可能性が高いと考えられます。

 

また、近畿圏では全般に2021年以降価格が上昇しています。コロナ禍で価格推移が一段落した後、これも首都圏同様に円安&株高を背景として投資マネーが流入しており、新築マンションのコストプッシュによる価格上昇もあって、中古マンションの価格が大阪市中心部に近いエリアほど上昇する傾向が顕著です。

 

万博終了後の市況変化を懸念する声も一部ありましたが、2026年の序盤は2025年の勢いそのままに価格が上昇する状況です。

 

したがって、これも首都圏同様に実需層の郊外化が発生しており、大阪市内から堺市や東大阪市方面、神戸市から姫路市方面、京都市から大津市方面へと移動人口の流入が顕著ですから、購入希望者の減少によって価格の上昇率には確実に影響があるものと考えられます。

 

 

まとめ:今後の見通しとエリア格差

これまでの価格上昇とニーズの拡大の背景には2012~3年に始まった政府・日銀による大規模な金融緩和政策がありました。しかし、日銀がこれまでに4回の利上げを実施したことで、今後は住宅ローン金利の上昇が確実視されています。

 

また、資材価格、人件費、地価の上昇に加え、イラン情勢の長期化に伴う物価やエネルギー価格の上昇は新築住宅の供給抑制を招くため、中古マンションの価格は今後も安定的に上昇する公算が大きいと考えられます。

 

ただし、過熱感から価格が価値以上の水準に引き上げられているエリアについては、価格調整局面を迎えることになるでしょう。

 

また、首都圏と近畿圏中心部ではこれ以上の価格の底上げはハードルが高いのですが、中部圏・九州圏では価格水準から上昇余地が残されています。

 

今後、中古マンション市場は立地条件、築年数など「住宅としての総合力」の違いに応じて価格上昇の度合いに差異が発生するものと考えられます。

 

※本コンテンツの内容は、記事掲載時点の情報に基づき作成されております。

(情報提供:株式会社LIFULL LIFULL HOME'S総合研究所・監修/三井住友トラスト不動産企画部)

 

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記事提供:三井住友トラスト不動産株式会社

 

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